MLB選手 大谷翔平が実践するパフォーマンス維持の秘訣-手のケアと睡眠習慣
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大谷翔平選手はメジャーリーグで前例のない「二刀流」を継続し、投打両面でトップパフォーマンスを発揮しています。しかしその舞台裏では、並外れたコンディショニングへの努力があります。大谷選手が日々行っている手のケアと睡眠習慣に注目し、実際のインタビューやエピソードをもとにその秘訣を探ってみます。

二刀流の過酷さとへの負担

投手としてマウンドに立ち、打者として打席に立つ二刀流の大谷選手は、常人以上に手や腕に大きな負担を強いられます。実際、20237月の試合では、前回登板で割れた爪が完治しないまま投球し、指に力が入らず苦戦する場面もありました。ピッチャーにとって指先・爪はボールを支える重要な役割を果たし、僅かな不調が投球に直結します。さらに打者としても毎日バットを振り込むため、マメ(皮膚の摩擦傷)や関節への負担など、手のコンディション管理は極めて難しいと言えます。

こうした過酷な状況下でも故障無く戦い抜くために、大谷選手は細部までケアを怠りません。登板後や試合後にはアイシングやマッサージはもちろん、専属トレーナーとともに指先から肘に至るまで入念なケアを行っています。実際、大谷選手は肘や肩に違和感がある時は衝撃波治療器(ショックマスター)などの最新機器も活用し、筋肉の張りを取り除いているそうです。二刀流ゆえに通常の倍は酷使される「手」を守るため、最新の技術と地道なケアの両面からコンディション維持に努めているのです。

10時間睡眠」で手・肘を回復

大谷選手のもう一つの大きな武器が「長時間の睡眠」です。本人も「睡眠は質より量です」と語っており、最低でも110時間は眠るよう心がけているといいます。十分な睡眠をとることで疲労回復を最優先し、酷使した腕や指の回復を図っているのです。実際、大谷選手の圧倒的パフォーマンスを支える要因の一つは間違いなく睡眠時間の確保であり、彼自身「睡眠時間が1時間違うだけで体の変化を感じる」と述べています。それほどまでに睡眠がコンディションに与える影響を熟知しているのでしょう。

シーズン中は連日の試合で肉体的にも精神的にも疲労が蓄積しますが、大谷選手は何よりも睡眠時間を優先します。2024年シーズン序盤には「なかなか眠れない日々が続き、パフォーマンスに影響があった」と明かす場面もありましたが、睡眠環境を整えることで徐々に改善。「良い睡眠をとって、11日大事にプレーできている」と5月中旬には語っています。このように睡眠をしっかり取ることで、朝起きた時には前日の疲労が手や肘から抜け、ベストな状態でプレーに臨めるようになるのです。大谷選手自身、「特に睡眠は僕のコンディショニングに欠かせないものです。アメリカでは遠征も多いため、安定した質の高い睡眠がとれず体調を崩してしまう選手もいます」と述べており、睡眠こそが理想的なパフォーマンスの土台であると強調しています。

徹底した睡眠習慣とスケジュール管理

毎晩10時間以上の睡眠をとるために、大谷選手は独自のスケジュール管理も実践しています。試合や練習で夜更けになっても、できる限り早く就寝し、朝は一度起きて朝食を摂った後にもう一度眠る「二度寝」で睡眠時間を稼ぐこともあるそうです。例えば朝食後に再びベッドに戻ることで合計10時間前後の睡眠を確保するなど、創意工夫しているのです。また、試合後にはリカバリー状態をチェックする習慣もあります。大谷選手は上腕に専用の黒いバンド型デバイス「WHOOP(ウープ)」を巻き、睡眠の質や身体の回復度合いを測定しています。心拍数や血中酸素濃度、ストレスレベルまでスマホ連携で数値化されるハイテク機器で、自身のコンディションを科学的に可視化しているのです。こうしたデータを踏まえてトレーニングメニューを調整し、「どれだけ体がリカバリーできているか」を常に把握することで、二刀流という前人未到の挑戦を支えています。

睡眠中もコンディション作りの一環という考えから、大谷選手は**昼寝(ナップ)**も積極的に取り入れています。練習の合間や移動中に1530分程度の短い仮眠をとることで、その日の疲労をリセットしパフォーマンスを維持しているとのことです。モニターバンドで睡眠の質や時間を管理しながら、できるだけ多く寝るのがカギだった」と語っており、長時間睡眠+短時間仮眠の組み合わせが大谷選手の疲労回復法だと明かしています。まさに「寝る子は育つ」を地で行くスタイルで、睡眠時間を最優先に確保する生活習慣が好成績の原動力になっているのです。

遠征先でも妥協しない睡眠環境

シーズン中は過密日程に加え、長距離の移動や遠征が避けられません。しかし大谷選手はどんな環境でも質の高い睡眠をとるための工夫を凝らしています。具体的には、日本ハム入団当初から寝具メーカー「西川」の特注マットレスとオーダーメイド枕を愛用しており、メジャー移籍後も睡眠コンディショニングサポート契約を結んで継続利用しています。西川は大谷選手専用に身体を360度計測してデータ化し、体格にフィットする最適なマットレスと枕を提供しているとのこと。現在大谷選手が使用しているのは西川の最上位モデル「エアーSX」シリーズで、体圧分散や寝姿勢保持に優れた一品です。

大谷選手は遠征時にも自分の寝具を持ち込む徹底ぶりで知られます。チームの遠征先ホテルでは、備え付けのベッドの上に西川製の携帯型マットレス「エアーポータブル」を重ねて使用し、普段と同じ寝心地を再現しているそうです。実際、2023WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)期間中も滞在先でこの携帯マットレスを活用し、快適な睡眠を確保したとのエピソードがあります。大谷選手本人も「遠征先では場所によっては寝起きに腰や肩の痛みを感じることがあり、睡眠の質に悩まされることもあった」ものの、適切な寝具を使うことでそうした問題が解消され、「疲労感も軽減されて朝の目覚めが良くなった」とコメントしています。このように環境が変わっても睡眠の質を落とさない工夫が、長いシーズンを戦い抜く上で大きな支えとなっているのです。

(※西川公式サイトでの大谷選手インタビューより。遠征先でも携帯マットレスを併用することで腰痛を感じず目覚めが良くなった旨の発言。)

さらに大谷選手は、本拠地の球場に自分専用マットレスを持ち込んで昼寝をとることもあります。試合前後のわずかな隙間時間でも質の高い睡眠を確保するために、こうした徹底した準備を怠りません。「睡眠のためにできることは全てやる」という姿勢が、大谷選手を支える裏舞台にはあるのです。

寝起きで感じるコンディションの変化

大谷選手ほどのトップアスリートになると、僅かな体調の違いも見逃しません。彼は「睡眠時間が1時間違うだけで体の変化を感じる」と語っており、朝の目覚め時にその日のコンディションを敏感に察知できるようです。十分に睡眠をとれた日とそうでない日では、手足の軽さや肩肘の感覚に違いが現れるのでしょう。実際、大谷選手は幼少期から「夜9時には就寝し、昼寝も含めると半日以上寝ていたこともあった」と明かしています。幼い頃から長時間睡眠で体調を整えていた経験から、朝起きたときの体のキレが睡眠量・質に大きく左右されることを身をもって知っているのでしょう。

興味深いエピソードとして、あるインタビュアーは「大谷選手が時々寝起きのままインタビューに来たのではと思うことがある」と語っています。最初はエンジンがかかるのに少し時間がかかるものの、一度目が冴えると止まらないほど饒舌になるのだとか。この話からも、大谷選手が試合以外の場面でもギリギリまで睡眠を優先している様子がうかがえます。寝起き直後は調子が出ないことがあっても、十分な睡眠をとった日は体も頭もすぐに冴えわたり、結果としてインタビューでも試合でも高いパフォーマンスを発揮できるというわけです。

専門家も太鼓判を押す大谷流コンディショニング

大谷選手の睡眠重視の姿勢と徹底した手のケアには、専門家からも高い評価が寄せられています。睡眠指導のプロである角谷リョウ氏は「大谷選手は毎晩10時間眠り、時には球場にも専用マットレスを持ち込んで昼寝をとる長眠の実践者」と紹介し、その長時間睡眠が驚異的成長を支えていると述べています。また西川株式会社でアスリートの寝具サポートを担当する永田智史氏は、「トップアスリートは体の変化や感覚の変化に非常に敏感」であり、大谷選手も肩周りの筋肉量など僅かな変化で枕の高さを調整するほど繊細に睡眠環境を管理していると明かしています。実際、永田氏のチームは定期的に大谷選手の体型測定を行い、そのデータに基づき枕の高さやマットレスの状態を微調整しているとのことです。

さらに、米国のチームメートやコーチ陣も大谷選手の緻密な自己管理に舌を巻いています。ロサンゼルス・ドジャースでストレングスコーチを務めるトラビス・スミス氏は「彼(大谷)は毎日あらゆる練習からデータを収集し、睡眠まで管理してメニューを組み立てる。コンディショニングで大事なことを全て理解して実践している」と証言しています。大谷選手の体調管理へのこだわりは、まさに科学的アプローチと自己研鑽の結晶と言えるでしょう。

おわりに:睡眠とケアが生む「異次元のパフォーマンス」

大谷翔平選手の活躍の陰には、徹底した手のケアと睡眠習慣がありました。二刀流という誰も経験したことのない挑戦を成功させるため、指先の爪一つから全身の疲労回復まで、あらゆる要素に目を配り最善を尽くしています。毎日の長時間睡眠や遠征先へのマットレス持ち込みなど、一見地味にも思えるルーティンの積み重ねが、大谷選手の身体を守り、異次元とも言われるパフォーマンスを可能にしているのです。

彼自身「大切にしているのは、毎日の睡眠です」と直筆メッセージを残すほど睡眠を重視しています。十分な眠りは体の回復だけでなく、一日のリズムを整え、メンタルを含めたコンディション全体を支える「最強のパートナー」です。そこに最新のケア技術と自身の経験則を融合させることで、大谷選手は今後も進化し続けるでしょう。

野球ファンのみならず多くのアスリートにとって、大谷選手の取り組みはコンディショニングの教科書とも言えます。手のケアを怠らず、しっかりと身体を休める——シンプルですが極めて重要な習慣こそが、史上初の偉業を影で支えているのです。